あの頃、テレフォンボックスで
12月に入ってすぐ
杏ちゃんが入院した、って
志穂からメールが入った。


慌てて神戸の病院まで
お見舞いに行く。



志穂は思っていたよりも
元気だった。


「瞳子、ごめんね。
わざわざ来てもらって。」


「いいのよ、それより杏ちゃん
大丈夫なの?」


「ええ、たいしたことないの。
ただ、高熱が何日も続いて
近所の医者じゃ心配だったから、
この大きな病院に来てみたのよ。
そしたら、扁桃腺がすごく赤く腫れてて。

これだけ腫れたら熱も出ますよ、って。


通院でもいいですけど、どうしますか?
って言われたんだけど、
もう怖くて・・・・
入院させてくださいって
こちらから頼んだのよ。」


乳幼児は親が24時間
つきそうことになっているらしく、
志穂はノーメイクだった。

こんな場所で見ると
老けてみえる。


同じ36才・・・・


同級生の姿を見て
自分の年を思い出す。


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