あの頃、テレフォンボックスで
「そう・・・・そんなことが・・・・」



親は子どもを見ている。
いつでも、どこでも。


だけど、普段は
子どもは親のどこも見てはいない。


親が何を頑張っていて、
どんな悩みがあって、
どんなことに心を揺さぶられているのかなんて。



親は人間ではなく、
子どもにとってはあくまでも親。


完全無欠の親という盾の中で
その人そのものが
子どもには見えない。



「ちゃんと中学に行きだして
勉強して受験して、
行きたい高校に入った。


医者になろうと思ってる。


だけど、

なんだかわからないけど、
うまく言えないんだけど、


何かが違うんだ。


何かが足りないっていうか。


本当にこれが俺なのか?
と考えこんでみたり。





トーコさんは・・・・

そんな風に考える俺を
わかってくれそうな気がした。



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