あの頃、テレフォンボックスで
家出
何をするときも
初めは、無理だと思う。
無理だ、できない、と。
いつの頃からか、そういう自分になっていた。
無理だ、という私に
ケイタはいつも「大丈夫」と
ひとこと言って笑う。
ケイタの放つ「大丈夫」は
強い力で私の背中を押す。
あるときは、
「トーコさん、できないことを考えるより
できることを並べようよ。
第一、やってみないとわからないし。」
そんな風にも言っていた。
ケイタは若いから・・・・
そう考えてふと立ち止まる。
17才の私に、
あの頃できることが
たくさんあったはずなのに、と。
「観たい映画があるから
俺の家で一緒に観よう。
トーコさんも好きそうなやつだよ。」
と誘われたとき、
いつもなら「無理よ」と断ったはずだった。
でも、もうその頃の私は
ケイタがいるから大丈夫だと思っていた。
そしてケイタと一緒にいられるのなら。
初めは、無理だと思う。
無理だ、できない、と。
いつの頃からか、そういう自分になっていた。
無理だ、という私に
ケイタはいつも「大丈夫」と
ひとこと言って笑う。
ケイタの放つ「大丈夫」は
強い力で私の背中を押す。
あるときは、
「トーコさん、できないことを考えるより
できることを並べようよ。
第一、やってみないとわからないし。」
そんな風にも言っていた。
ケイタは若いから・・・・
そう考えてふと立ち止まる。
17才の私に、
あの頃できることが
たくさんあったはずなのに、と。
「観たい映画があるから
俺の家で一緒に観よう。
トーコさんも好きそうなやつだよ。」
と誘われたとき、
いつもなら「無理よ」と断ったはずだった。
でも、もうその頃の私は
ケイタがいるから大丈夫だと思っていた。
そしてケイタと一緒にいられるのなら。