あの頃、テレフォンボックスで
家に着いてすぐに
ソファに深く身をしずめた。


まだ心臓の鼓動を感じる。


ふーっと
深くため息をついたら、
今度はどうしようもなく
笑いがこみ上げてきた。



・・・・・私たち、まるで
親にみつかった高校生同士みたい。



おかしくなって
一人で笑った。

笑いながら
泣けてきた。



私たち、一体どこへ行こうとしているの?




くちびるを手で触れると
ケイタの頬の温もりを思い出す。

ケイタの匂い。


こんなに近くにいるのに
一つにはなれない。


私に触れたケイタの
肩を、腕を、背中を
思い出して
涙がどんどん溢れる。



その先が見たいのに。
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