あの頃、テレフォンボックスで

「あ、でもさっき亜紀ちゃんのところに
電話したけど、
亜紀ちゃんのお母さん、知らないって言ってたわ。」


「そう、お母さんに見つからないように
亜紀ちゃんの部屋に入って隠れてるらしいよ。

前に亜紀ちゃんが家出したときに
すぐにお母さんに連絡されて、
家出にならなかったからって。」



「そう・・・・だったわね・・・・」


「明日はちゃんと亜紀ちゃんちから
一緒に学校に行くから
未来ちゃんのお母さんには
適当に言っといて、だってさ。」



「適当に・・・・・」



こんなに心配しているのに。
親の心、子知らず、とはよく言ったものだ。

そういえば・・・・
亜紀ちゃんが前に家出してきたとき
言ってたっけ？


「心配しなければ意味がない」って。



未来もまた、私に対して
不信を募らせているのに違いない。



日々・・・上の空でいる

そんな私に対して。