あの頃、テレフォンボックスで
次の日の夕方、未来は帰ってきた。


私は夕べから
未来にどう接したらいいか
考えあぐねていた。



あの子は・・・・
何を知っているのかしら?



とりあえず、連絡もなしに
家に帰らなかったことを叱る。


「ママは・・・・・

ママは、何がしたいのか、わかんないよ。


パパだって、本当に仕事なのかどうか。
ママがパパに無関心だから、
パパだってここに帰ってこないんじゃないかな。

ママは私のこともどうでもよさそうで・・・


だからって
仕事してるわけでもなくて、

一体、何考えて生きてんのか
全然わっかんない。」




「未来・・・・・」




未来の部屋のドアが
バタンと大きな音を立てて閉まった。




・・・ママは・・・・
何がしたいのかわかんない・・・・



私だってわからない。


わからないことを
わかったような顔をして


ゆれ動く心を
微塵もださないで


私は

女である前に母親の顔をして

生きていかなきゃならないの?

< 163 / 201 >

この作品をシェア

pagetop