あの頃、テレフォンボックスで
未来の一件があってから
私は少し反省した。


親として、
まだまだ責任があることに
気付いた。


かけがえのない大事なものは
ここにあるときには
気付かない。


「パパに・・・・
今度いつ帰れるか、
電話してみるわ。」



朝、でかける未来の背中にむかって
そう言った。


時差を考えて
ちょうどお昼頃、夫に
電話をする。



今度はいつ帰れるの?


話したいことがたくさんあるんだけど。

それに、
この前あなたが話したいって
言ってたことも聞きたいし。



久しぶりに夫の声を聞くと、
なんだか懐かしくて
今すぐにでも
顔を見たくなる。


夫に無関心を装っていたのは
本当は会いたい気持ちを
押さえておくため?



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