あの頃、テレフォンボックスで
それなら、いっそ
家にいて、家族のために
残りの人生をささげようかな、なんてね。」


「残りの人生だなんて・・・
まだ早いわよ。」


「そう?だけど、
もし北中さんと駄目になったら
もう次はないって思うから、
仕事辞めるのも一大決心だったのよ。

だから、残りの人生は
北中さんと家族のために
生きるつもり。」


「じゃぁ、亜紀ちゃん・・・
再婚してもいいって?」


「いいえ、亜紀は反対してる。
だけど、私と北中さんのことは認めてくれてる。

だから・・・・・
急がないでおこうと思って。


今、一緒に暮らしてて
5人で生活してるんだけど、
入籍してないし、姓もバラバラ。


でも、そんなことはどうでもいいのよ。

一緒にいられるだけで幸せ。

大事なのは
大切な人と一緒にいられるっていうこと。

私には北中さんも
勇斗と亜紀も
どっちも大切なの。


あとのことは、亜紀がもっと大人になって
いろんなことを許せるようになったら
そのときに考えればいいか、って。


焦らなくても
北中さんと私には
まだ時間がたっぷりあるはずだしね。」




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