あの頃、テレフォンボックスで
上海は・・・午前11時くらいだろう。
本当に会議中なのかもしれない。

・・・・それにしても・・・


あのときの金のピアスが
心に引っかかっている。
夫の胸ポケットに落ちていた、
金の金具が・・・・



両耳をふさいで、私はその場にうずくまった。
秘書よ、きっと。
会社の人・・・・

でも・・・・・・


知らないことが多すぎる。
20年も一緒にいるのに、
佐山は、私にとって

遠い人。



佐山のことで
こんなにも心が乱されるなんて・・・

わからない。

彼を愛してるかどうかも
わからない。



とにかく、今は
早くケイタに会いたい。

ケイタ、助けて・・・・


私はどうしたいんだろう?
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