あの頃、テレフォンボックスで
「神戸まで・・・・
トーコさん、運転できる?
高速とか・・・走れるの?」
高速道路を運転したことはある。
助手席に夫を乗せて。
走る車線もスピードも
夫の指示通りに。
「・・・・・できるわ。」
無理だなんて思わない。
もう、何事も。
地下の駐車場を出口に向かって
車を走らせる。
地上に出ると・・・
もう真っ暗になっていて
雨足は弱まっているものの、
まだ雨が降り続いている。
高速へと続く国道に出るまでの道も
帰宅時間にかかったせいか、
混みだしてきた。
・・・・今ならまだ帰れる。
頭の隅ではそう思いながら、
帰ったあとのことを考えて
こわくなる。
暗くて寂しい部屋で一人・・・
キッチンのハーブポットの中に
金色に光る
ピアスの金具。
あんなもの、
捨ててしまえばよかったのに・・・・
私を軋ませているものは
あまりにも小さい・・・・
トーコさん、運転できる?
高速とか・・・走れるの?」
高速道路を運転したことはある。
助手席に夫を乗せて。
走る車線もスピードも
夫の指示通りに。
「・・・・・できるわ。」
無理だなんて思わない。
もう、何事も。
地下の駐車場を出口に向かって
車を走らせる。
地上に出ると・・・
もう真っ暗になっていて
雨足は弱まっているものの、
まだ雨が降り続いている。
高速へと続く国道に出るまでの道も
帰宅時間にかかったせいか、
混みだしてきた。
・・・・今ならまだ帰れる。
頭の隅ではそう思いながら、
帰ったあとのことを考えて
こわくなる。
暗くて寂しい部屋で一人・・・
キッチンのハーブポットの中に
金色に光る
ピアスの金具。
あんなもの、
捨ててしまえばよかったのに・・・・
私を軋ませているものは
あまりにも小さい・・・・