あの頃、テレフォンボックスで
自動車保険の請求のために
警察に事故の調書を作ってもらわなければならない、
とそのとき周りにいた誰かが言い、
とりあえず、警察に電話した。

不思議と私は落ち着いている。


家の人には
ひたすら頭を下げて謝った。


「全てもとどおりに直させていただきます。
年末のこんな時期に、
本当に申し訳ありません」、と。


物損事故なので、
警察ものんきな様子で
実況見分していた。


事故をおこしてしまったことよりも
他のことを考えて
心臓が
強く鼓動をうっている。


・・・・・私がしようとしていたことは・・・・




警察の人が
もう帰ってもいい、
と言ったので・・・


タクシーを呼んでもらった。

車はとりあえず、その場において・・・



私は
動く気力さえ


ない。
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