あの頃、テレフォンボックスで
ある夕方、
メールが1件きた。


メールを送ってくるのは
志穂くらい。

志穂は学生時代からの友人だ。

「志穂かしら?」


受信ボックスを開けてみると
知らないアドレスが書かれていた。


おそるおそる、
開いてみる。


『元気ですか?
あれから、親に携帯取り上げくらってました。

使いすぎて料金かかりすぎで・・・
といっても、
ネットのサイトを見てたりしてたから。

俺の部屋って
パソコンも置いてない!

使いたかったら
リビングで使えだってさ。


今どき
ありえないっしょ?


え~っと、
トーコさんは元気ですか?ケイタ」




・・・・ケイタ



メールの文字を何度も読み返した。

元気かどうか・・・
2回も聞いてる。


あの日から

ひと月近く経っているので、
連絡がくることはない、と
思ってた。


それでも携帯を
肌身はなさずに・・・・。

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