あの頃、テレフォンボックスで
夜遅くになって


携帯に着信が。



ケイタくんからだ。

リビングのソファで横になっている
夫を気にしながら、
電話に出る。


「もしもし、


ええ、


そう・・・・・


いいえ、行けないわ。


夫が帰ってるの。


ええ、じゃあ・・・・・・・」




なんとも歯切れの悪い電話。
口の中に苦いものが広がる感じ。




「こんな時間に、誰から?」

と、夫がソファから身をおこして

聞いた。


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