あの頃、テレフォンボックスで
「よかった・・・・。」

私の声を掻き消すように
ケイタが話す。

「トーコさん、
聞こえた?

今、屋上にいるんだけど
一発目の花火の
ヒュルヒュルって上がって
パンッって弾ける音

聞かせてあげようと思って・・・・・


ね、聞こえた?」




「いいえ、

ざわざわする音ばかりで・・・・・

なにか・・・・・、
間違い電話かなにかだと思って・・・

焦っちゃった。」




「そうか~

やっぱりムリかぁ。



トーコさん来ればよかったのに。

花火、めちゃくちゃ近いよ?」



ケイタ・・・・・

私は、
あなたの・・・・・なに?
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