あの頃、テレフォンボックスで
もし今、私が
ケイタの隣で

ケイタのマンションの屋上で

一緒に花火を見上げていたとしたら

間違いなく、
彼に抱きついていただろう。



どうして、
いつも私の心の中を見透かしてるみたいに、

どうして、
いつも私の中の一番薄くなった部分を、


あなたの言葉で
震わせるのだろう。





これ以上響いたら
私の中の薄い膜が、


耐え切れなくて

破れてしまいそう。




「トーコさんの部屋にある
“空の青”

それを見るたびに
俺とあなたが

同じように、同じくらいに
ちっぽけな存在なんだって

思っていてほしい。」



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