あの頃、テレフォンボックスで
「お久しぶりぃ。
そう・・・ごめんね。
亜紀のことよろしくね。

それより会いたいわ。
こんなに近くに住んでるのに、
何年会ってないかしら?

突然だけど、明日お昼たべに行きましょうよ。
ちょうど明日とあさって、お休みを取ってるの。」




思いがけず、亜紀ちゃんのママ
中村さんと
お昼の約束をした。



「佐山さ~ん、ここよ。」


山の手にできたイタリアンのお店で
先に席に着き、
手を振る中村さん。


「こんにちは。
お久しぶり・・・・・

それにしても、よく予約が取れたわね。
ここオープン以来ずっと人気で
予約も取りにくい状況だって噂よ。」


「仕事でね、ちょっとオーナーと知り合いで。
夕べすぐにメールして
席を取ってもらったのよ。」



中村さんは
全然変わってない。

いつもはつらつとしていて
ひとつの所に留まっていられない、
そんなところが
昔のまま。



「夫と一緒にいることが耐えられない。」


そう言って、
自分の力で生きる道を選んだのは、


未来たちが小学校2年ぐらいの時だったから
もう8年も前のことになるのかしら?



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