あの頃、テレフォンボックスで
文化祭
文化祭の準備と
試合続きのテニス部の練習で
未来は今日も遅い。

春には春の、夏には夏の
そして秋には秋の行事があって
学校というところは忙しい。


もし、子どものいない生活をしていたならば
学校を終えた大人は
季節感のないままに
一年を
エンドレスに続く四季を
くりかえし
行き過ぎてしまうだけ。


そうして、
知らないうちに
年をとってしまうんだわ。

未来の予定に合わせて
バタバタと過ごす毎日。
まだ、
子どもがいるだけ
幸せなんだわ、

自分に言い聞かせる。
今まで何度もそうしてきたように。


映画サークルの活動時間がないから
と言って、
未来がサークルのメンバーを連れて
7時ころ帰ってくるという。


「なんでもいいから食べさせて。」
5時をすぎて電話をよこしてきたので
慌てて、部屋を片付けながら
料理に取りかかる。


誰が来るのかしら?
6人くらいって言ってたけど・・・

ケイタは?

ケイタが来たら
みんなの前で、どんな顔で
会えばいいんだろう。


ケイタ・・・・・
会いたい。


だけど、
ここでは
今日は
会いたくない。


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