あの頃、テレフォンボックスで
一体私たちはなんだというのだろう?

あいかわらず、メールをしている。

離れた生活の中での
小さな接点。
だからといって

『今日、みんなと一緒に来るの?』

そんなメールを
ケイタに送ることは
気がとがめた。


私にとってケイタは
現実にいる幻みたいなもの?

そんなはずはない。

ケイタは確かにここにいる。
いつでも
私のすぐ傍に。


未来たちといるケイタと
私といるケイタは
同じ人なのかしら?


ケイタが
どんな人だか
よく知らない。


でも、
ケイタを
誰よりもよく知っている。


そして
ケイタは私を知りすぎている。


一体
私たちは

お互いのなにを知っているというの?
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