あの頃、テレフォンボックスで
好きでもない相手が
夢に出てきたばっかりに

もしかして、私この人のこと
好きかも。

なんて
思ってしまうことがある。


それ以来、
その人のことばかり考えて
会えないでいると
想いばかりが募って
それは
どんどん どんどん
増殖して


どこかでふとその人に会って、
いいえ
チラっと見かけたりしただけで、


どうしようもなく
想いが溢れてきてしまうことがある。


それから
勇気をふり絞って
話し掛けてみて
仲良くなるにつれ

なんだか違うという気持ちになって



夢から覚めるのだ。



そういうことが
よくある。


だけど、
ケイタは・・・・
確かに、初めてケイタを見たときは
まるで夢でも見てるみたいに
一瞬にして心が震えた。


そして、会えば会うほどに
話せば話すほどに

これほどにも惹かれる人に
出会ったことはない、と実感する。


私の中の奥の方が
ケイタの中の芯のような部分に
強い力で引っ張られる。


私たち、
前世は一つだったのかもしれないよ。


前にそう言ったとき
ケイタは
「知ってる」

そんな顔して、笑った。


< 78 / 201 >

この作品をシェア

pagetop