あの頃、テレフォンボックスで
正面に‘空の青’

目を閉じると、その中を漂う私たちの姿が
見えてきて、温かい気持ちになる。


そうだ、メール・・・・・

携帯を手に持って、
メールがきていたことに気付いた。


『そろそろ、みんなを連れ出します。
トーコさんのご飯食べたかったなぁ。
ま、あとはゆっくりどーぞ。ケイタ』



ケイタ・・・・・


『会いたかった。
でも、会いたくなかった トーコ』


送信してから、また後悔した。
言葉が足りなすぎる。
私のこの気持ちをどんな文字にすればいいのだろう。


『俺も』


すかさず、ケイタの返信。

こんなに離れていても
私たちは繋がっている。



しばらくすると、
疲れきって夫が帰ってきた。
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