雪が降る町~追憶のletter~
「これ、誰に出すの」
「え?」

(そんなの考えてなかったけど)


快斗はカードに視線を落したまま、晶の答えを待っていた。


「···自分に」
「は?」
「自分の為のカード!部屋に飾っとく」
「あー··そ。」


晶の答えは嘘ではない。
誰かに出したくて、そんな誰かを想ってカードを選んでいた訳ではないから。

けれど、心の隅で思い出しながらそれを手に取ったことは快斗には言わなかった。

その思い出した相手は目の前の―――



「お?何の話?」





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