雪が降る町~追憶のletter~
「それでも、大晦日とかそんな時に集まってたら羽目外しちゃってたかもな!」

「大晦日···」


どうやら大地はまたあの日のことを匂わせているらしい。

あの時、大地はなぜ来なかったのか。

晶の頭の中はそのことでまたいっぱいになっていく。


「いや、ほんとごめんな。あの時急に昔の同級生に誘われちゃって!久々に地元戻ってきてたから、そっち優先しちまった!」


頭を掻きながら、ははっと笑う大地に晶はそんな理由があったのかと納得しかけたときに快斗が声を上げた。


「だっ··ダイ!何言って···」

「え?」

「いや、なんでもない。それより、明日からはどこの現場行ってるの?!!」


明らかに焦った快斗に晶は当然気が付いた。
ただ、その理由まではわからないが。

そして不自然に話を変えたのも、気が付いたけれどやっぱりよくわからなくてただ黙ってウーロン茶を飲んでいた。
< 109 / 218 >

この作品をシェア

pagetop