雪が降る町~追憶のletter~
「なに?これ··」
快斗の差し出していた手には黒い箱が乗っかっていて、どうやらそれを渡すために呼びだしたようだ。
「なんとなく、やる」
ぽつりとそう言う快斗の手から晶はその箱を受け取った。
丁度、テレビなんかで見る、指輪の贈り物のような箱を晶は不思議そうに回し見た。
「開けていいの?」
「ああ」
寒さのせいか、快斗は両腕を組むようにしてバルコニーの柵に背を向けてもたれかかった。
晶は指先だけ出した手元でその箱の中身を確認してみる。
(誕生日じゃないし、クリスマスもまだ先···
じゃあこれはなんのプレゼントなんだろう?そもそもプレゼントなのかな)
簡単に開いた箱の中を見て晶が明るい声を上げた。
「わ!なに?これ!!」