雪が降る町~追憶のletter~
「··え?」

(え?え?今すごいこと聞いたよね?)

「“運命”ってどんなことをいうの」

「えっ··えーと···再会とか?かな··」


気になることを聞かぬまま会話が先に進んでしまい、さらには答えづらい質問を投げかけられて晶はしどろもどろとなり、快斗の方を見た。

快斗は相変わらず晶に背を向けたままだったけれど、少しだけ顔を横に向けて、目は合わないけれど、きっと快斗の視界には自分が入っているとわかった。


「再会、ね」
「や、ちょっと待って、急に言われてもわかんな、」
「じゃあ俺らもそれには当てはまるんだ」


その時に今日ここに来て初めて目が合った。

さっきのプレゼントのような黒い瞳に白い雪が反射して。


「あ、これダイの電話番号。なんか明日までに連絡欲しいって言ってたから」
「え?大ちゃん?あ、この前番号交換しなかった··」
「じゃあな」


なにがなんだかわからないうちに快斗は家に戻ってしまった。


「風邪ひきそ··」

手に乗ったクリスタルの上には本物の雪がまたちらちらと積もりそうだった。

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