雪が降る町~追憶のletter~
晶の衝撃は相当だ。

ショックなのか、なんなのか。
また振り出しに戻った。それだけの筈なのに、力が抜けてしまって。

手繰り寄せた糸の先には違った結果がぶら下がっていた。


そんな放心状態の晶に大地が手を伸ばしかけた時、遠くから全力疾走してくるスーツの男が目に飛び込んできた。


「―――快斗」


大地の視力は両目共に2.0。
確実に快斗だと大地の目が判断してそう言った。


「えっ··」


続いて晶もその声に反応して、放心状態から脱したが、振り向いた先はまだ誰だか判別出来ない距離にその男はいた。


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