雪が降る町~追憶のletter~
「っはー、はぁっはぁっ···っ」


2人の元にやってきて、膝に手を当て前かがみになり呼吸を必死で整えているのは紛れもなく、快斗だった。


「おま··スーツと革靴で全力て···」
「だ、大丈夫···?」


やっと体を起こした快斗だが、さすがにまだ息が上がっていて話が出来ないらしい。
しかしそんなことお構いなしで大地が質問を投げかける。


「快斗、これなかったんじゃないのか?先約あるような言い方して」

「っ··そ、ソッコーで、終わ··らせ··ごほっ」


こんな寒い季節の屋外で、少し汗をかいているのは快斗ぐらいだろう。
寒い中なのに汗をかくくらいの距離を走ってきたのかと思うと驚愕する。


「その、手紙―――」


大地が呼吸を荒げたまま大地の手の中の封筒と便箋を見て言った。
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