雪が降る町~追憶のletter~
「“2”の書き方が、下に“丸”を作ってる」


大体普通“2”はそのまま線を重ねずに書くが、この手紙は違う。
最後に楕円を描くように結んでいる。

最近この書き方の数字を見たのは―――


「卒業アルバムに挟まってたメモと、昨日の番号のメモ―――」


そこまで言うと快斗がほっとしたような、呆れたような顔をしてやっと声を出した。


「―――とうとう気付かれたか···」


快斗は苦笑しながら言うと、晶が怒ったように快斗を責め始める。


「どうしてっ··どうして言ってくれなかったの?来てくれなかったの?!冗談だったの?!」


今にも泣きそうな晶を目の当たりにして快斗は言葉を失った。


「待ってたのにっ····!!」
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