雪が降る町~追憶のletter~
翌日の今日は6年間通った学校ともお別れの日、卒業式だ。
相変わらず俺は晶と並んで登校して同じ教室に入る。
わいわいと賑わう教室では、俺と晶は別々。
でも俺はいつでも晶の存在を無意識に探してた。
程なく廊下に整列をして体育館へと移動する。
少し温まっている体育館に入ると、俺の母さんと晶の母さんが並んでこっちを見てた。
淡々と進められる式典は正直途中退屈で、俺は男だし、感動とかで泣いたりもするわけなくて、やっと終わった時には『ああ、終わった』としか思わなかった。
だけど、俺の少し前に座る晶の横顔が見えた時に、俺はドキリとした。
ガキの頃から一緒に居て、泣き顔なんてしょっちゅう見てた。
どちらかというと泣き虫だった晶はいつもぐずぐずしてて、むしろ昔の記憶はいつでも涙目だったような気さえする。
だけど、こんな風に泣く顔は初めてだったから―――。