雪が降る町~追憶のletter~


「手紙?あの前に話してくれた中学の時の?」


なんとか席が空いてるパスタ屋に落ち着くと、水を口につけてありさがそう聞き返した。


「うん···さっきの白い封筒が似てた」


晶も水を手にして寂しそうな笑顔でそう答えた。


あんな昔の手紙のことを25にもなるのにこうして意識して、差出人が未だに気になるなんてばかみたいだろうか。

さっきみたいに同じような色形の手紙を手にする度に、差出人を確認して、心当たりのある人物じゃないかどうかということを見てしまう。

それがあの日の人と99.9%違うってわかっていても、心のどこかで残りの0.1%に懸けていて。


「ふぅん。晶、やっぱりまだ気になるんだね」
「だって…!!ありさだったら気にならない?」
「んー…まぁね。でもさすがに中学だからね。忘れちゃうかな」


< 19 / 218 >

この作品をシェア

pagetop