雪が降る町~追憶のletter~
15の冬
そんな俺達の関係は、良くも悪くも変わることはなく、あっという間に3年生になっていた。
細かな所まではわからないけど、晶もそのまま3年になって、誰かと付き合うとかどうとか聞いたことも見たことも、感じたこともなく、ただ本当にそのまま俺達は月日を重ねて。
「おす」
「おはよう」
雪こそまだ完全に積もらないが、充分過ぎる程寒さを感じる11月末。
晶は相変わらず寒そうな顔をして鼻を赤くし、真っ白いマフラーをぐるぐると巻いてポケットに手を突っ込んで隣を歩く。
「お前、なんでいつもそんな寒そうなんだよ」
「だって、本当に寒いんだもん!」
「こっちまで寒くなるんだよ!大体なんで素足……」
「~~~快斗のばかっ!えっち!」
足を止めた晶が鼻だけじゃなく顔を赤くして俺に怒る。
「べっ別にそんな風に見てたわけじゃねぇ!」
「素足じゃないもん!ちゃんと履いてるもん!」
ああ。年頃の女子ってめんどくせぇ…。
そんなことで怒るのかと、そういうことが多々ある気がして…。
姉貴なんて晶のそういう“女子の恥じらい”みたいなの1ミリも見たことないから余計に感覚がわからん。
「…ま、どーでもいいけどよ。風邪だけうつすなよ」
「う……」
俺はなんとかその場の空気をいつもと同じように戻すように言うと、晶はまたマフラーに顔を半分隠しながら俺の後ろをついて歩いた。