雪が降る町~追憶のletter~
2.10年越しのバルコニー
家についてお母さんのご飯を食べて、部屋に籠もる。
大体の平日はこんな感じで過ごしている。
ふと、思い出して窓の外を見てみる。
晶の部屋の窓からは快斗の部屋の窓と向かい合わせ。
建売だったこの家と快斗の家はほぼ同じ構造で、晶と快斗の部屋の横のバルコニーも向かい合わせになっていて、飛び越えて渡ることが出来なくはない距離である。
快斗の部屋は暗いまま。
10年間、それが当たり前だった。
だから逆に今暗い部屋をみて、ほんとは帰ってきたのが嘘なんじゃないかな、なんて思ってしまう位に10年という月日は長い。
(別に何か用があるわけじゃないし。
暇だから!そう、暇なのよ。)
そんな心の中での独り言を続けながらカーテンを握っていると家の前の路地を歩く人影が見えた。
大体の平日はこんな感じで過ごしている。
ふと、思い出して窓の外を見てみる。
晶の部屋の窓からは快斗の部屋の窓と向かい合わせ。
建売だったこの家と快斗の家はほぼ同じ構造で、晶と快斗の部屋の横のバルコニーも向かい合わせになっていて、飛び越えて渡ることが出来なくはない距離である。
快斗の部屋は暗いまま。
10年間、それが当たり前だった。
だから逆に今暗い部屋をみて、ほんとは帰ってきたのが嘘なんじゃないかな、なんて思ってしまう位に10年という月日は長い。
(別に何か用があるわけじゃないし。
暇だから!そう、暇なのよ。)
そんな心の中での独り言を続けながらカーテンを握っていると家の前の路地を歩く人影が見えた。