雪が降る町~追憶のletter~
4.プライベート
*
―――10年前·大晦日
いつもならとっくにこの辺りの灯りも消えていて、こんなに人だって溢れていない。
その日は真冬の為勿論寒くはあるが、風が穏やかで、灯りによって藍色にも見える空には瞬く星が、そしてふわふわと柔らかそうな雪が優しく舞い落ちてくる、そんな穏やかな夜だった。
それでも外に何時間もただ立っているのならば、やはり体は凍えるだろう。
首元と肩まで着いた髪を、長めのマフラーで二重に巻いて口元を隠す。
手袋をしていても指先が冷たくなってきたその手はコートのポケットに。
ポケットの中には一通の、白い封筒。
―――10年前·大晦日
いつもならとっくにこの辺りの灯りも消えていて、こんなに人だって溢れていない。
その日は真冬の為勿論寒くはあるが、風が穏やかで、灯りによって藍色にも見える空には瞬く星が、そしてふわふわと柔らかそうな雪が優しく舞い落ちてくる、そんな穏やかな夜だった。
それでも外に何時間もただ立っているのならば、やはり体は凍えるだろう。
首元と肩まで着いた髪を、長めのマフラーで二重に巻いて口元を隠す。
手袋をしていても指先が冷たくなってきたその手はコートのポケットに。
ポケットの中には一通の、白い封筒。