雪が降る町~追憶のletter~
2.記憶
「もう!女の子に危険なことさせるなんて!」
「じゃーその“女の子”の部屋の方がよかったか?」
「う···」
(それは困る···掃除してないし)
晶はまた寒空のバルコニーを渡って快斗の部屋に来ていた。
どうやらさっきの『大丈夫みたいだな』というのは服装のことだったらしい。
(前回はかなりの薄着だったからか・・・)
快斗はお風呂上がりのようで、髪が濡れていて普段よりもちょっと長く見える髪型にまた違う雰囲気を感じて晶はドキドキした。
「あ、なに。こんなの見てたの?オジサンじゃん」
「どーしてオジサンになるんだよ、卒アル見ただけで」
「昔を懐かしむところがオジサンだよ」
「あーそう」
晶は快斗にそんな嫌味をいいつつも自分も懐かしくなって無造作に広げてある中学校の卒業アルバムを手に取りパラパラと眺め始める。
「快斗、変わったね」
「··そうか?」
「うん。この時はまだ“同じ”だったっていうか···今はもうすっかり男だね!」
「····晶はぜーんぜん変わんねぇモンな」