雪が降る町~追憶のletter~
それはいかにも“未だ中学生のコドモのようだ”と言われたようなもので、晶が口を尖らせてブーイングをした。

すると、快斗がベッドの上でアルバムを広げながら見ていた晶の横にすっと移動してきてアルバムを覗きこむ。


(ち、近い!近い!!)


あからさまに避けるのはどうかと思って徐々に快斗との距離を取る晶を快斗はちょっと覗きこむようにして笑いながら言った。


「うそ。ちょっと可愛くなったんじゃねぇ?」

「???!」

(何?これはからかわれているの?バカにされてるの?)


晶が混乱するのも無理はない。

なぜなら快斗はそういうことを言うことはたった一度もなかったのだから。
産まれてから中学校卒業するまでずっと一緒にいたのに、ただの一度だってそんな風に褒められたことはない。


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