雪が降る町~追憶のletter~
「まっ···てるって···誰を」
「―――あの手紙の···」
まさか、快斗も覚えていたなんて。
晶は揺らいだ目で快斗を見る。
快斗はブレることなく射抜くような目で晶を見ていた。
2人の視線はぶつかりあったまま少しの沈黙。
そして快斗の手がゆっくりと晶に近づいてきた。
その手は晶の顔まで上がってくると頬のあたりでぴたりと止まった。
「睫毛。ついてた」
(キス、されるかと思った···!)
そんな想像をしてしまった晶は恥ずかしさのあまりいられなくなってその場を立った。