雪が降る町~追憶のletter~
3.近すぎて気付かないもの
【明日11時に駅前で。
真田】
今日は土曜日。
いつもは休みまで指折り数えるのに今週ばかりは土曜日がくるのが早すぎる位に晶は思っていた。
そして夢じゃなかったと今朝まで何度もメールを確認した。
けれど、しっかりとそのメールは存在していて、晶は溜め息と緊張とで朝から落ち着かないのだった。
晶も今朝はその緊張の為かなかなか早起きしたと思っていたが、カーテンを開いた時には向かいの窓の奥も既にカーテンが引かれていて、中に人影はなかった。
(土曜日も仕事、か)
晶はカーテンを握ったまま暫く快斗の部屋を見つめていた。