雪が降る町~追憶のletter~
「あ!あれですかね?」
無邪気に晶がそういって望遠鏡から顔を離すと、すぐ傍に真田の顔があってびっくりする。
「うん。多分あってるよ。結城さんの家は見えるかな?」
「え?あ!うちですか?!うちはマンションとかじゃないから···」
カシャン!
晶が赤い顔をしてそんなことを話してる間に2分間が終わってしまって望遠鏡は景色を映さなくなってしまった。
「あ。ご、ごめんなさい」
「どうして?2分てあっという間だね」
にこっと笑って真田がそう言うと今度は肉眼で景色を見ながら展望台をゆっくりと歩きはじめた。
「せっかくここに住んでるからさ。一度は昇ってみたかったんだよね」
「あ、そうですよね。真田さんは地元じゃなかったですもんね」