雪が降る町~追憶のletter~
コツッ···
晶と真田が横に並ぶようにして立っているその隣から足音が聞こえた。
晶は繋がれた手に全意識を集中していてその足音に気付くのが遅れた。
「あ···!」
その靴音の正体に気付いたのは真田の驚いた声が聞こえてきてからだった。
「··快斗っ···」
「おう。奇遇だな」
快斗が視界に入った瞬間、無意識に晶は真田の手から逃れた。
(手··すぐ横に真田さんがいて死角で見えなかったよね···)
別に悪いことをしているわけじゃない。そうどこかで考える反面、罪悪感と恥ずかしさが出てきて晶はまともに話しかけられる状態ではなかった。
「今日もお仕事で?」
「ああ、どうも。真田さん、でしたよね」
晶を置いて2人が言葉を交わし始める。