雪が降る町~追憶のletter~
もう家が見える。
バスを降りてから2人は学生の頃のように他愛ない話をしながら歩いてた。

でも急に快斗が空気を変えた。


「今日、デート?」


晶はその質問に頭ではすぐに否定したかったが、事実デートのようなものだったし、何より突然すぎて声も出なくてつい立ち止まってしまう。


「真田さん。かっこいいじゃん」
「ちがっ··今日はたまたまっ!誘われて···」


そう言った後、しまった。と晶は思った。


「ふぅん··じゃあ真田さんが晶に気があるんだ?」


立ち止まった晶を半身振り返りながら真顔で快斗はそう言った。
決して目を逸らさない快斗を一度見上げると、晶は目を離すことができなくなった。

< 81 / 218 >

この作品をシェア

pagetop