雪が降る町~追憶のletter~
第四章

1.運命の日曜日



翌日日曜日


晶は仕事の日と同じく朝早く目覚めていたが、カーテンを開けずにいた。
正確には“開けられずに”いた。

布団に潜ったまま携帯をおもむろに手に取り見てみる。


【今日は楽しかったよ。ありがとう。また今度どこかへ行けたら嬉しいです。おやすみ。
             真田   】


昨夜真田から来たメールだ。

勿論、昨日のうちに当たり障りのない返信はしている。


“また今度”


その文面を見て溜め息が出る。
真田を嫌いなわけじゃない。むしろいい人だと思う。
でも好きかと言われたら即答出来ない自分がいるのは事実だし、何より····昨日快斗に言われた言葉が未だ胸の奥に突き刺さったまま。




「だめだ···」
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