雪が降る町~追憶のletter~
この大地《だいち》という名の男は晶と快斗が通っていた小学校の2級上の“お兄ちゃん”だった。

二つ上ということは、中学も1年間だけ一緒だった。

家も近所で小学生の頃はよく一緒に遊んでいたが、中学に入り、大地が部活を始めてからぱったりとそういうこともなくなってしまった。

けれど、中学でも顔を見かけた時にはよく声を掛けてはくれていた。

だから、晶は知っていた。

快斗が高専へ行くきっかけだったのは、大地だったことを。


「大ちゃんも、ここに戻ってきたの?」
「いや、“長期出張”でこっちきたの」
「へぇ···」
「快斗は戻ってこれたんだな」


“快斗”と口に出していないのに大地はなぜかわかっているかのように晶に話すから晶は不思議に思って聞いてみた。


「…大ちゃん、快斗と連絡取ってるの?」


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