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知らず俯いた私の頭を、ひゅかが撫でた。
「みあ、一人で抱え込まないでよ?」
にかっと勝気に笑う彼女。
「あたし、みあのこと大好きなんだから、幸せになってほしいの」
「ひゅか……」
「あたしは、みあのこと応援してるんだから。砕けたら、一緒に泣いてあげる。恐がらなくていいんだよ」
「…………」
「前に進んでも、大丈夫だよ」
暖かい言葉に、見開いた瞳から涙がこぼれた。
「えっ、ちょ、泣かないでよ」
ひゅかが慌てた。だけど涙は止まらなかった。
「ありがとう、ひゅか」
このとき、初めてひゅかを、本当の友達だと思えたから。
私は不器用で、臆病だから、自分の気持ちを隠す。
だから、誰にも心を開かない。
その心を見せても良いと思えるような友人も、本当に少ない。
でも、ひゅかは確かに、私が心を見せても良いと思えた。
「一緒に、泣いてくれる?」
私の言葉に、ひゅかは笑って、
「うん。だから、恐がってないで。80%くらい脈ありなんだから、頑張っちゃいな。もし砕けたら、拾ってあげるから」
「うん」
このとき決めた。
この恋に、積極的になることを。
「ひゅか隊長、佐川みあ、出撃いたします」
「おう、いけ、みあ!」