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『マジで?? お願いしまーす!!(>人<)』
私は、意を決して決めていた文章を打つ。
『今度どこか連れてってくれるなら♪』
軽いノリで言っているように装う。
本当は反応が恐くてドキドキしてるというのに。
なかなか送信を押せないというのに。
「うううう……えいっ!」
送信。
私は携帯を閉じた。
「ど、どうしよう! 送っちゃった! 言っちゃった!」
そして一人でパニックを起こす。
「ひかれたらどうするのっ? 自分!?」
私はソファの上に携帯を置いて、その正面に正座して返信を待った。
返ってこない。
返信がない。
終わった。
「みあ~……どうするよぉ……」
自分に突っ込んで、ため息をついた。
〝はぁ~……もう無理か……〟
諦めて、トイレに行こうと立ち上がった。
ヴ~ン
「!」
思わずソファに突進して、携帯をひっつかんだ。再びソファの上に正座して、携帯とにらめっこをする。
開くのが、恐い……。