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家に帰って、私は力なくソファに倒れこんだ。
〝私、普通じゃないのかな……〟
本来なら、辛くて泣いてしまうのだろう。
本来なら、落ち込んでしまうのだろう。
だけど、どうして私は簡単に我慢できるのだろう。
もうちょっと我侭になれたら、楽になるのだろうか。
だけど、自分の恋情を優先させるよりも、陣君との友情の方が私にとっては大切だった。
告白してしまえば、気まずくなって、彼の隣にいる資格を失ってしまうのだから。
隣にいられるなら、私は十分だった。
それにしても。
どうして、私が好きになる人は、いつも私のものにはならないんだろう。
陣君が言ったとおり、誰か「良い人」は、本当に現れてくれるのかな。