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「じ、陣っ……あっ」

 私は首が弱い。
 触られただけで、過敏に反応してしまうほど、首が弱い。
 それなのに、こんなふうに唇で触れられたら。
 痺れたように動けない身体から、力が抜けていく。
 いけない。
 これは、駄目だ。

「じ、陣、駄目……っ」

 だけど、陣はやめない。

「んぅ……っ」

 陣が、私のお腹や太ももをさする。
 涙が、あふれそうになった。
 デコルテの辺りに陣がキスを落とす。


 陣が私に触れるたびに、膨れ上がる罪悪感。
 その罪悪感に、押しつぶされそうになる。


「陣……っ」

 がたっ

「っ!」

 物音に驚いた陣が、私から離れた。

 みゃあぁぅ
 エンジェが、陣の足元に擦り寄った。

 私は俯いて、震えるしかできなかった。
 あまりのショックで、動くこともままならなかった。
 腰が抜けたように、身体が動かない。

 今、何が起こったの……?

 混乱して、動揺して、呆然として。
 私の頭は真っ白だった。

 今、一体、何が、起こったの……?

 でも、いくら考えようとしても、頭の中は真っ白で、何も出てこなかった。
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