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時間
間違っているとわかっているのに、私達はそれに目を瞑って、一緒にいる。
陣と一緒にいると、凄く安心する。
陣は私のものなんじゃないかと、錯覚に陥る。
だけど、わかっている。
いつまでも、一緒にいられるわけではないことくらい。
「なぁ、Ruby作ったのって誰だっけ?」
陣のとんでもない言葉に、私は耳を疑う。
「ちょっと!それくらい覚えておきなさいよ!日本人がつくったのよ!」
意地悪をして、名前は教えてあげなかった。あとでインターネットででも調べれば良い。
「だから、度忘れってやつじゃんか!教えてくれたって良いだろ?」
「自分で調べてよね」
私達は、時間の許す限りいつも一緒にいる。
一緒にいるのが心地よくて、私は陣から離れたくなる。
一つだけ安心できたのは、一つだけ前と違うのは、陣も同じだということ。
一方通行だったときよりも、今のほうが安心できる。
安心できるけど、凄く恐くなる。
私達のしていることは、間違っていること。
本当は、わかっている。
このままじゃあ、いけないことくらい。
だから、私は割り切っている。
今だけの夢だって。
今だけ、陣と一緒にいさせてほしい。
いいよね、今だけだったら。
「みあ、ちょっと買い物つきあって」
「ん、良いよ」
授業が終わったら、陣が私を誘ってきた。特に異論はないので、了承する。