time ~戻れない時間~
episode*3
「いただき~」お弁当を食べていると、大事に大事に残していた唐揚げがお弁当箱から突然消えた。とりかえす余裕もなく彼の口へと運ばれる。
「ちょっと!!誰の唐揚げ食べてんのよ!!」
私は、大きな声で彼に怒鳴る。そしてそのまま彼のほっぺたをつねりあげる。
「いててててて…痛いっての!!」彼は私の手を自分のほっぺから突き放す。
「春二のあほ!!!!ばか!!まぬけ!!唐揚げハゲ男!!」
「知代ちゃ~ん、チューしてあげますから春二くんを許そうか」
ニヤニヤしながら私の顔を手で包み込む。
「はぁ~?そんなので私が乗るとでも?!」
内心ドキドキしている自分の心臓。
「顔、赤くなってんの~体は嘘つけないんですよ~知代ちゃん」
完全に私のことからかってるな、こいつ。
私は、だんだん腹が立ってきて一発蹴りをいれる。