急性大好き症候群
学校の傍にはマックがある。


どういう目的で作られたのかは知らないけど、とりあえずそこはいつでも中学生が溢れている。


こういうところはどちらかと言えば高校生の方が多いのに、ここではあたしの制服が浮いて見えた。


あたしはアップルパイ、麻尋ちゃんはコーラを頼んで、席に向かい合って座る。


真っ白な世界からは解放されつつあった。


「あの……太一は?」

「委員会が長引いてるらしいんです。文化祭が近いので」

「そっか、もうすぐ文化祭か」

「……唯織さんって、名字なんですか?」

「前野」

「あ、じゃあ、もしかして、弟とか……」

「いるよ。弘樹。太一と仲いいでしょ」

「はい。なんか、女の私でも嫉妬するくらい」

「麻尋ちゃんは太一の彼女じゃん」

「……そうなんですかね」


微笑んでいた麻尋ちゃんの表情が引き攣った。


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