急性大好き症候群
「何……?」

「唯織って、字うまいよな」

「……は?」


いきなり何を言い出すかと思えば……。


「前から思ってたけど、うん、うまい」


裕也があたしの手元を覗き込んでいる。


なんか恥ずかしい。


「そんなことない……」

「うまいよ。字書くペース早いのに、全然崩れねーんだもん。硬筆のお手本みてえ」

「ありがと……」


なんかあたしから折れてしまった。


硬筆のお手本て、あたし褒められてんの……?


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