急性大好き症候群
女も男に誘われてしまうってこと、この子はわかってないの?


可愛くて、思わず欲情しかけてしまうことを。


「……あたしは変態か」


いつもと違う太一に魅せられたからかもしれない。


心臓がバクバクしてるし。


握られた手は熱いし。


とろんとした目。上目遣い。幼い表情。


これって、ギャップ萌えってやつ?


いつもは生意気だから、余計にそう思うのかな。


さっき顔を近づけさせてしまったから、太一の肌のきめ細かさが目についた。


やっぱり、イケメンは寝顔も綺麗だ。


わずかに開かれた唇に目がいく。


──おいしそう。


ゴクッと、喉が鳴ったのがわかった。


あたしは顔を更に近づけて、太一の唇に自分の唇を触れさせていた。


「────っ!?」


唇に感じた柔らかい感触で我に返った時は既に遅し。


慌てて太一から顔を離して、自分の口元を空いている手で押さえた。


や、やばい。


キスしちゃったし!


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